円通寺は明和八年(1771年)にこの地に移転し、250年以上にわたって地域の人々とともに歩んできた寺院です。
当時から茅ぶきで建立された本堂で知られていましたが、現在の本堂は阿部住職が設計した外起り(むくり)の「むくり屋根」が特徴です。
寺院建築の基本思想として「ノスタルジーの喚起」を重視し、故郷に戻ったような安らぎを提供することを目指していたといいます。
毎年1月16日に行われる歳旦法要(さいたんほうよう)には、多くの檀信徒が参拝に訪れます。
今年の取材日も60名以上の方が参拝されました。本堂に響く読経の声、静かに手を合わせる人々の姿――そこには、長い歴史の中で培われてきた信仰と地域の絆があります。
歳旦法要を厳修しました。
円通寺の阿部住職は、かつて山梨県大月市の寺院で住職を務めておられました。
住職を退く退董式(たいとうしき)のアーカイブ映像がホームページで視聴できるようになっており、大月での長年の奉仕と地域との深い絆が伝わってきます。
そして現在、小淵沢の地で新たな縁を紡ぎながら、地域住民のための寺院づくりに取り組んでおられます。
地域に根ざす円通寺の姿
阿部住職に、地域住民のことをお聞きしました。
「お檀家さんは米を作っている方が多いですね。八ヶ岳は水も綺麗で、農業には適した土地だと思います。八ヶ岳の冬は、私はそんなに厳しいとは思っていません。新潟と比べると、まず雪が少ないですね。冬の寒さも多少は厳しいですが、日当たりが良いので、檀家の皆さんが縁側でひなたぼっこしているような、そんな感じの寺なんです」
この言葉から、円通寺が檀家の日常に寄り添い、穏やかな時間を共有する場所であることが伝わってきます。
住職の歩みと寺院への想い
阿部住職は新潟県新発田市のご出身で、10歳まで故郷で過ごされました。
「私が大学生のときに父の弟が交通事故で亡くなったんです。大学時代は金曜日の夜の夜行列車で新潟に向かい、叔父の寺の法事をやったり、掃除を手伝ったりして、日曜日の夜に帰ってくるということを4年間続けました」。
この経験が、住職としての阿部氏の原点となっているのでしょう。大学卒業後、福井の永平寺での修行を経て、昭和49年にご縁があって大月市・長應寺に入られました。長應寺は師匠の生まれた寺だったそうです。
これからの円通寺
円通寺のホームページを通じて、阿部住職の想いや寺院の歴史、地域とのつながりを多くの方に伝えていくこと。
それが私の使命だと感じています。八ヶ岳の麓、清らかな空気に包まれた小淵沢の地で、250年の歴史を守りながら、新しい時代の寺院の姿を模索する円通寺の取り組みを、これからも発信していきたいと思います。
山梨県にお住まいの方、八ヶ岳エリアを訪れる方は、ぜひ一度、小淵沢の円通寺を訪れてみてください。
むくり屋根の本堂と、地域に寄り添い続ける住職の温もりを感じることができるはずです。
曹洞宗円通寺
山梨県北杜市小淵沢町上笹尾313
中央自動車道「小淵沢I.C」から車で7分。
JR中央本線「小淵沢駅」からタクシーで6分。
円通寺ホームページ