本興寺には、以前、檀信徒向けの終活相談会でご縁をいただきました。その際、参加者の多くがご高齢であったことから、次世代にも届くような新たな情報発信として「住職の人柄記事」をご提案しました。
お寺の発信は「誰が語るか」がとても重要です。特に若い世代にとっては、説法よりも「住職ってどんな人?」という関心から仏教に触れるきっかけが生まれます。
最初、浅井貫首は「お寺が発信する内容は、住職自身が語るべき」と辞退されました。宗門本山の貫首というご立場もあり、重要な情報発信を他者に委ねることへの慎重さは、私たちも十分に理解しているところです。
それでも他寺院での実例や、代表・池谷がマスコミ勤務の経験で得た知見から、「第三者の視点だからこそ、伝わりやすいものもあります」とお伝えし、取材をさせていただきました。
パンフレットには、仏事に関する「よくある質問」ページを設けました。中でも印象的だったのが、「通夜と葬儀の意味合い」についてのお話です。
形式にとらわれるのではなく、「なぜそれが遺族のためになるのか」という核心に触れた説明は、本質的でありながら、あたたかく胸に残るものでした。
浅井貫首のインタビューでは、現職の大臣や経済界の要人との広い交友にも触れましたが、それ以上に印象深かったのは、本興寺が「これから何をするか」を見据える姿勢です。
社会が大きく変化し、これまでのやり方が通用しづらくなってきた今、寺院もまた、しがらみにとらわれず、「こうあるべき」を問い直す時期に来ているように思います。
「人は説得では動かない」。社会運動や経済活動に関わる人々と交流を重ねるなかで、浅井貫首はその本質を深く理解されていると感じました。ビジネスがもつ社会変革の力と、人との共感──それらを仏教の価値観とどう結びつけるか。その実践のひとつの形が、本興寺の空気に表れているのかもしれません。
経済も社会運動も、すべては人の営みです。それらが自然とお寺に集い、互いを知り、支え合う。本興寺は、まさにその象徴のようなお寺だと思います。
今、何か迷いや課題を抱えておられる方がいれば、一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。